デロンギの全自動コーヒーマシンを使っていると、「抽出するときにギシギシ音がする」「ユニットの動きが重くなってきた」と感じることがあります。この記事では、そんな悩みの根本原因として浮かび上がる「グリース(潤滑油)」について、純正品の情報から代用品の選び方・正しい塗り方・石灰除去との違いまで、あらゆる角度から調べてわかりやすくまとめました。
デロンギのコーヒーマシンは精密な機械であるため、定期的なグリースアップを怠ると、最悪の場合モーターに過負荷がかかって修理が必要になることがあります。一方、正しい頻度で適切なグリースを使っていれば、マシンの寿命を大幅に延ばすことができます。初めてのメンテナンスで不安を感じている方でも、この記事を読めば迷わず対処できるようになります。
| この記事のポイント |
|---|
| ✅ デロンギのグリースとは何か・どんな役割を果たしているかがわかる |
| ✅ 純正品(SER0354)以外の代用品として使える食品用グリースがわかる |
| ✅ グリースを塗るべき場所・手順・タイミングが具体的にわかる |
| ✅ 石灰除去との違いや、マグニフィカSの基本メンテナンス全体像がわかる |
デロンギ グリースの基本知識と純正品の全情報

- デロンギのグリースとは何か?抽出ユニットを守る食品機械用潤滑剤のこと
- デロンギのグリースは代用できますか?ワセリンや食品用グリースが使える
- 異音がしたらグリース切れのサイン!「ギィー」と軋む音が出たときが塗り時
- デロンギ純正グリース(SER0354)の特徴はNSF H1認証取得の安全な潤滑剤であること
- 洗剤で洗ってはいけない理由はグリースを洗い流してしまい故障につながるから
- デロンギマグニフィカSを長持ちさせるためにグリースアップが欠かせない理由
デロンギのグリースとは何か?抽出ユニットを守る食品機械用潤滑剤のこと

デロンギの全自動コーヒーマシンには、「抽出ユニット」と呼ばれる心臓部が存在します。コーヒー豆を挽いた粉を圧縮し、高圧でお湯を通してエスプレッソを抽出する重要なパーツです。この抽出ユニットは内部でパーツが上下に激しく動く構造になっており、スムーズに動かすために食品機械用の潤滑剤(グリース)が塗られています。
グリースは単なる油ではなく、「食品との偶発的な接触が許諾される安全な潤滑剤」として国際的な規格をクリアしたものが使われています。コーヒーを淹れるマシンという性質上、万が一グリースがコーヒーに混入したとしても安全である必要があるため、一般的な機械油や工業用グリースは使用できません。
🔧 抽出ユニットの役割をざっくり整理
抽出ユニットは伸縮する構造になっています。銀色のフィルター部を指で押し下げ筒状になった部分の内側とユニットの伸縮部にグリースを少量塗布してください。
📋 抽出ユニットとグリースの基本まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| パーツ名 | 抽出ユニット(ブリューユニット) |
| グリースが必要な理由 | 上下に動くパーツの摩擦を軽減するため |
| 使われるグリースの種類 | 食品機械用(NSF H1規格) |
| 塗布の頻度目安 | 数ヶ月〜1年に一度程度(音や重さで判断) |
グリースは工場出荷時からたっぷりと塗られていますが、使用を重ねたりお湯の熱にさらされたりすることで、少しずつ流れ落ちたり劣化したりします。そのため、定期的に補充する「グリスアップ」という作業が必要になるのです。グリースのことを「潤滑油」「グリス」とも呼ぶことがありますが、すべて同じ意味で使われています。
✅ グリースが果たす主な役割
- パーツ同士の金属・プラスチック摩擦を軽減する
- 動作をスムーズにし、異音を防ぐ
- Oリング(ゴムパッキン)の劣化を遅らせる
- 密閉性を高め、正確な抽出圧力を維持する
マシンを長く使い続けるためには、コーヒー豆や水の管理だけでなく、このグリースの管理も欠かせません。「なんとなく調子が悪い」と感じたときにグリースが原因であることは非常に多く、適切にケアするだけで驚くほど改善するケースがあります。
デロンギのグリースは代用できますか?ワセリンや食品用グリースが使える

「デロンギの純正グリースを買わなきゃいけないの?」という疑問は非常によく挙がります。結論からいうと、代用品を使うことは可能ですが、使えるものと使えないものがあるため注意が必要です。
デロンギ公式も代用品について次のように案内しています。
※グリースは市販のワセリンでも代用できますが、抽出ユニット用グリースを推奨いたします。
つまりワセリンは代用品として公式に認められています。ただし「推奨はしない」という立場であるため、可能な限り専用品か、それと同等の規格品を使うのが望ましいでしょう。
📋 代用品の選び方比較表
| 代用品の種類 | 使用可否 | 注意点 |
|---|---|---|
| デロンギ純正グリース(SER0354) | ◎ 推奨 | 公式品・NSF H1認証済み |
| 市販のワセリン | △ 可(公式認可) | 推奨はされていない |
| AZフードグリース(食品機械用) | ◎ 適切 | NSF H1認証取得品を確認 |
| CRC 5-56などスプレーオイル | ❌ 使用禁止 | 人体に有害・ゴム劣化の恐れ |
| 一般的な機械油・工業用グリース | ❌ 使用禁止 | 食品接触NG・素材を傷める |
市販の代用品として高く評価されているのが、AZ(エーゼット)のフードグリース(品番:718)です。Amazonや楽天市場でも購入でき、価格は600円前後と非常にリーズナブル。NSF H1規格に登録されており、食品機械への使用が認められた安全な製品です。
デロンギユーザーのレビューを見ると、「デロンギのコーヒーメーカー(ディナミカ)に使用中。動きもスムーズになり快適!」「スプレー潤滑剤を使っていたが、ちゃんとグリスアップしたら凄くスムーズに動くようになりエラーが出る頻度も大きく減りました」といった声が多く集まっています。
⚠️ 絶対に使ってはいけない代用品
- CRC 5-56などのスプレーオイル(人体に有害・ゴムを溶かす)
- 一般的な機械グリース・工業用潤滑油
- シリコーンスプレー(食品用でないもの)
- 食用油(酸化しやすく逆効果)
食品用であっても、ゴム・プラスチック対応かどうかを確認しておくことが大切です。一部のユーザーからは「金属専用と記載があった」という指摘もあるため、購入前に用途表記をよく確認しましょう。
異音がしたらグリース切れのサイン!「ギィー」と軋む音が出たときが塗り時

「最近コーヒーを淹れるとき、なんかギシギシした音がするな…」と感じたことがある方は多いのではないでしょうか。あの不快な異音こそ、マシンがグリース補充を求めているサインです。
デロンギ公式FAQにも明確に記載されています。
抽出ユニットのグリースが少なくなったと考えられます。
グリースがなくなった状態で抽出を続けると、プラスチック同士や金属パーツが直接こすれ合い、「ギシギシ」「ガガガ」という異音が発生します。さらに放置するとモーターに余計な負荷がかかり、最悪の場合は修理が必要な故障に発展します。
📋 グリース切れのサイン一覧
| サイン | 説明 |
|---|---|
| ギィー・ギシギシという軋み音 | 最もわかりやすいグリース不足のサイン |
| 動きが重い・固い | 手でユニットを動かすと抵抗がある状態 |
| 抽出が不安定になる | 圧力が正確にかからず味がブレる |
| エラーが頻発する | 豆粒度エラーなど、動作不良でエラーが増える |
📋 グリスアップのタイミング目安
| 頻度 | 状況 |
|---|---|
| 異音がしたとき | 最優先でグリスアップを実施 |
| 動きが重いと感じたとき | グリース切れの初期症状 |
| 抽出ユニットを洗浄したとき | 洗浄後は必ず再塗布を検討 |
| 数ヶ月〜半年に一度 | 定期的なメンテナンスとして |
実際に修理に出したユーザーの記録によると、「修理の結果がグリスアップ…つまり、動作部分にグリースという油分をたまに塗らなきゃという感じ」という内容だったという報告もあります(参照:ameblo.jp/umeshika25)。修理に出す前に自分でグリスアップを試してみることで、費用と時間を節約できる可能性があります。
✅ 異音が出たときの対処チェックリスト
- ☑ まずマシンの電源を切る
- ☑ 抽出ユニットを取り出して動きを確認
- ☑ 食品用グリースを用意する
- ☑ 伸縮部・Oリング周辺に少量塗布する
- ☑ 数回上下に動かしてグリースを馴染ませる
- ☑ 音や動きが改善されたか確認してから再セット
デロンギ純正グリース(SER0354)の特徴はNSF H1認証取得の安全な潤滑剤であること

デロンギが正式に販売している純正グリースの品番はSER0354です。「FACM抽出ユニット用グリース」という名称で、デロンギジャパンのアフターパーツストアから購入できます。価格は税込1,549円(2025年時点)で、5gのチューブタイプになっています。
📋 SER0354の製品スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 品番 | SER0354 |
| 内容量 | 5g |
| 成分 | PAO(ポリアルファオレフィン) |
| 規格 | NSF H1(食品との偶発的接触が許諾) |
| 容器 | チューブタイプ |
| 外形寸法 | 幅22mm × 高さ44mm |
| 原産国 | イタリア |
| 使用回数の目安 | 10回前後 |
| 対応機種 | デロンギ全自動コーヒーマシン全機種 |
引用元:https://dljp-cc.com/SHOP/SER0354.html
NSF(国際衛生科学財団)のH1規格とは、「食品と偶発的に接触する可能性のある箇所での使用が認められた潤滑剤」の認証です。これはコーヒーマシンのような食品機械に使うグリースとして、最も重要な安全基準の一つです。
成分のPAO(ポリアルファオレフィン)は、合成炭化水素系の高性能潤滑油で、一般的な石油系グリースよりも耐熱性・耐久性に優れているとされています。デロンギのような精密機械に使用される理由の一つは、この成分の安定性にあると考えられます。
✅ 純正品SER0354の特徴まとめ
- ✅ NSF H1認証取得で食品機械に安全
- ✅ チューブタイプで塗りやすい
- ✅ デロンギ全自動マシン全機種に対応
- ✅ イタリア本国製造の純正品
- ⚠️ 5gと少量のため、大掛かりな分解整備には不足する可能性あり
- ⚠️ 純正品は「1回の本格オーバーホールでなくなってしまう」という声もある
純正品は少量で高価という声もあり、代替品を求めるユーザーが多いのも事実です。ただし、保証期間中のマシンについては純正品を使用したほうがトラブルを避けやすいという点は覚えておきましょう。保証対象外の操作を行うと、修理時に対応してもらえないケースも考えられます。
洗剤で洗ってはいけない理由はグリースを洗い流してしまい故障につながるから

デロンギの抽出ユニットをお手入れするとき、「汚れているから洗剤でしっかり洗いたい」と思うのは自然な発想です。しかし、これは絶対にやってはいけない行為の一つです。
なぜかというと、洗剤を使うと抽出ユニット内部に塗られている食品用グリースがすべて洗い流されてしまうからです。グリースがなくなった状態でマシンを動かすと、プラスチックや金属のパーツが直接こすれ合い、すぐに異音や動作不良が発生します。
フィルターについたコーヒーの油分には、金属の表面に膜を作り金属臭を抑える働きがありますので、食器用洗剤や研磨剤、漂白剤は使用しないでください。また、食器洗浄機も使用できません。
コーヒーの油分自体にも金属の保護機能があるため、洗剤で完全に洗い落とすことは逆効果になります。正しい洗浄方法は流水による水洗い、またはぬるま湯の中で振り洗いをするだけで十分です。
📋 抽出ユニットの洗浄:やっていいこととダメなこと
| 行為 | 可否 | 理由 |
|---|---|---|
| 流水で洗う | ✅ 推奨 | グリースを洗い流さず汚れが落とせる |
| ぬるま湯で振り洗い | ✅ 推奨 | コーヒー粉が効率よく落ちる |
| 柔らかいブラシで優しく掃除 | ✅ 可 | 頑固な粉詰まりへの補助的な対処 |
| 食器用洗剤を使う | ❌ 禁止 | グリースが洗い流され故障の原因に |
| 研磨剤・漂白剤を使う | ❌ 禁止 | 素材を傷める・グリース除去 |
| 食器洗浄機に入れる | ❌ 禁止 | 高温・洗剤でグリースが完全に除去される |
洗浄後は、必ず完全に自然乾燥させてからマシンに戻すことが重要です。水気が残ったままコーヒー粉が入ると、泥状に詰まって故障の原因になります。できれば一晩乾燥させることが理想的とされています。
✅ 正しい抽出ユニット洗浄の手順
- 必ず電源をオフにしてから取り外す
- 赤いボタンをつまんで手前に引き出す
- ぬるま湯の中でシャバシャバと振り洗いする
- 軽く水気を拭き取り風通しの良い場所で乾燥
- 完全に乾いてからグリースを確認・補充
- マシンに戻してカチッとはまることを確認
デロンギマグニフィカSを長持ちさせるためにグリースアップが欠かせない理由

デロンギの人気機種「マグニフィカS(ECAM22112Bなど)」は、家庭用全自動コーヒーマシンの中でも特に長く愛用されるモデルとして知られています。長く使い続けるためのメンテナンスの中でも、グリースアップは特に重要なポジションを占めています。
マグニフィカSの抽出ユニットは、銀色のフィルター部が上下に伸縮する独特の構造になっています。この伸縮部分に十分なグリースが保たれていれば、エスプレッソの抽出がスムーズに行われ、安定した味わいを楽しめます。逆にグリースが不足すると、動作音の増大・エラー頻発・抽出不安定といった問題が起きやすくなります。
📋 マグニフィカSのメンテナンス項目一覧
| メンテナンス項目 | 頻度目安 | 関連するトラブル |
|---|---|---|
| 抽出ユニットの水洗い | 月1回 | コーヒー粉詰まり・異臭 |
| グリースアップ | 異音・重さを感じたとき | ギシギシ音・エラー頻発 |
| 石灰除去(デスケール) | 3〜4ヶ月に1回 | 配管詰まり・出力低下 |
| カス受けトレイの清掃 | 毎日〜数日に1回 | オーバーフロー・衛生問題 |
| 水タンクの清掃 | 週1回程度 | カビ・雑菌繁殖 |
グリースアップを怠ってコーヒーマシンが修理に出された事例では、「抽出ユニットの動作不良」として戻ってくることが多く、メーカーの修理内容も「グリスアップ」であったという報告が実際のユーザーから寄せられています。
修理の際にコーヒー豆を試しでやるらしく、粉だらけだったけど、ご愛嬌。
これを読むと、メーカー修理でも基本的にはグリスアップを行っているということがわかります。つまり、自分でグリスアップを定期的に行えば、修理費用を節約しながらマシンをベストな状態に保てる可能性があるということです。
✅ マグニフィカSをできるだけ長持ちさせるポイント
- ✅ 月1回の抽出ユニット水洗いを習慣にする
- ✅ 異音や重さを感じたらすぐにグリスアップ
- ✅ 石灰除去(デスケール)も忘れずに実施
- ✅ 洗剤は絶対に使わない
- ✅ 乾燥を完全に終えてから戻す
デロンギ グリースの正しい塗り方と関連メンテナンスの全手順

- グリースを塗る場所は「抽出ユニットの伸縮部」と「Oリング周辺」の2か所
- グリースアップの正しい手順は電源を切ってから抽出ユニットを取り出すこと
- デロンギの石灰の取り方は?石灰除去はグリースアップとは別の専用作業
- デロンギの石灰除去をしないとどうなる?配管が詰まりマシンの寿命が縮まる
- デロンギ マグニフィカS スタート時に確認しておきたいグリースの初期チェック
- グリースアップ失敗を防ぐNG行動と覚えておきたい注意点
- 総括:デロンギ グリースのまとめ
グリースを塗る場所は「抽出ユニットの伸縮部」と「Oリング周辺」の2か所

グリースアップで最も重要なのは「どこに塗るか」です。闇雲に全体に塗り広げてしまうと、余分なグリースがコーヒーに混入したり、パーツを傷めたりする可能性があります。正確なポイントを把握して、必要な箇所に少量だけ塗ることが鉄則です。
デロンギ公式FAQでは、塗布ポイントをこう説明しています。
銀色のフィルター部を指で押し下げ筒状になった部分の内側とユニットの伸縮部にグリースを少量塗布してください。グリースの塗布後、ユニットの伸縮部(上左図の青色矢印部)を数回上下させ、抽出ユニットが軽く伸縮するのを確認してください。
📋 グリースを塗るべき2つのポイント
| 塗布ポイント | 場所の説明 | 塗る量の目安 |
|---|---|---|
| 抽出ユニットの伸縮部 | 銀色フィルター部が上下にスライドするレール・筒の内側 | 少量(歯磨き粉程度) |
| Oリング(赤いゴムパッキン)周辺 | 円筒状のパーツの周囲についている赤いゴムリング | 薄く一周なじませる程度 |
Oリングへのグリース塗布は、ゴムの劣化を遅らせるだけでなく、密閉性を高めて正確な抽出圧力を保つ効果があります。抽出ユニットを分解整備するレベルのメンテナンス時には、Oリング自体を新品に交換したうえでグリースを塗り直すと、より長期間の安定動作が期待できます。
📋 グリース塗布の正確な手順まとめ
| ステップ | 作業内容 |
|---|---|
| ① | 電源を切り、抽出ユニットを取り外す |
| ② | 銀色フィルター部を下に押し下げ、筒状の内側を露出させる |
| ③ | 伸縮部の内側にグリースを少量塗る |
| ④ | Oリングの表面に薄くグリースを一周なじませる |
| ⑤ | フィルター部を数回上下させてグリースを全体に馴染ませる |
| ⑥ | 動きが軽くなったことを確認してからマシンに戻す |
実際に分解整備を行ったユーザーからは「グリースはほんのちょっと、歯磨きの歯磨き粉ぐらいの量があれば全然全体をグリスアップできてしまう」という声もあります(参照:amazon.co.jp レビュー)。塗りすぎは逆効果になる場合もあるため、「少量をしっかり馴染ませる」という意識で行うのがポイントです。
✅ グリースアップの5つのコツ
- ✅ 綿棒や指先を使って少量ずつ塗る
- ✅ 塗ったあとは必ず数回動かしてなじませる
- ✅ Oリングのゴムにも忘れずに塗る
- ✅ 全体が均一に動くようになるまで確認する
- ✅ 塗りすぎた場合はふき取る
グリースアップの正しい手順は電源を切ってから抽出ユニットを取り出すこと

グリースアップを安全に行うためには、手順を守ることが非常に重要です。特に「電源を切ってからユニットを取り外す」という基本を守らないと、マシンのギアが定位置に戻っておらず、ユニットが外れなかったり破損したりする危険があります。
📋 グリースアップの基本手順(ECAMシリーズの場合)
| ステップ | 操作内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| ① | 電源ボタンを押してオフにする | ランプが完全に消えるまで待つ |
| ② | 水タンクを取り外す | この後の作業スペースを確保 |
| ③ | 抽出ユニットのふたを開ける | 正面または側面のドア |
| ④ | 赤いボタンをつまんで引き出す | 両側同時につまみながら手前へ |
| ⑤ | 取り出したユニットを水洗いして乾燥 | 洗剤不使用・完全乾燥が必須 |
| ⑥ | 乾燥後にグリースを塗布 | 伸縮部・Oリングの2か所 |
| ⑦ | 数回動かしてグリースを馴染ませる | 動きが軽くなるまで確認 |
| ⑧ | ユニットをマシンに戻す | カチッという音がするまでしっかり押し込む |
ECAMシリーズ(マグニフィカSなど)の場合、赤いボタンが2つついたユニットを引き出す前に、「上側レバーを手前・下側レバーを奥」に動かすと銀色フィルター部が下がり、グリースを塗りやすい状態になります。
抽出ユニットの赤いボタンを上にして置き、赤丸部の上側レバーを手前側に、下側レバーを奥側に動かすと、抽出ユニットの銀色フィルター部が下がります。
グリースを塗ったあとユニットがマシンに戻らない場合は、マシン内のギアとユニット側の角度がズレていることが原因として多く挙げられます。この場合は無理に押し込まず、ユニットを外した状態で電源を入れ、マシン側のギアを自動リセットさせてから再度試みると解決することが多いです。
✅ ユニットがはまらないときの対処法
- ユニットを外した状態でドアを閉め、電源を入れる
- 「ウィーン、ガシャッ」という音がしてギアがリセットされる
- 動作音が止まったら電源を切り、再度ユニットを挿入
- カチッという音がするまでしっかり押し込む
デロンギの石灰の取り方は?石灰除去はグリースアップとは別の専用作業

「デロンギのメンテナンス」について調べていると、グリースアップと並んで「石灰除去(デスケール)」という言葉が出てきます。この2つは似ているようでまったく別の作業です。混同しないよう整理しておきましょう。
石灰除去(デスケール)とは、水に含まれるカルシウムやマグネシウムが加熱によって析出し、マシン内部の配管やボイラーに積もってしまった「スケール(石灰垢)」を溶かして取り除く作業のことです。
📋 グリースアップと石灰除去の違い
| 比較項目 | グリースアップ | 石灰除去(デスケール) |
|---|---|---|
| 目的 | 可動部の潤滑・異音解消 | 配管内スケールの除去 |
| 使うもの | 食品機械用グリース | 除石灰剤(デロンギ DLSC200など) |
| 頻度 | 異音・重さを感じたとき | マシンが促したとき・3〜4ヶ月目安 |
| 対象部位 | 抽出ユニットの伸縮部・Oリング | ボイラー・内部配管 |
| 失敗した場合のリスク | 動作不良・異音継続 | お湯が出ない・味の劣化 |
石灰除去の手順はマシンによって異なりますが、基本的には除石灰剤を水タンクに入れ、マシンのデスケールモードを起動して内部に液体を通過させる流れです。デロンギ純正の除石灰剤(DLSC200)はAmazonなどで購入でき、価格は1,300円前後です。
✅ 石灰除去の大まかな手順(参考)
- 水タンクに除石灰剤と水を規定量入れる
- マシンのメニューからデスケールモードを起動
- 指示に従って液体を排出させるプロセスを実行
- 終了後、清水で数回すすぎを行う
- マシンが通常モードに戻ることを確認
グリースアップと石灰除去は別物ですが、どちらも「マシンを長持ちさせるための必須メンテナンス」であることは共通しています。定期的に両方を実施する習慣をつけることが理想的です。
デロンギの石灰除去をしないとどうなる?配管が詰まりマシンの寿命が縮まる

「デスケールのランプが点灯しているけど、面倒だからそのまま使っている…」という方もいるかもしれません。しかし、石灰除去を放置し続けると、マシンにとってさまざまな悪影響が積み重なります。
スケール(石灰垢)はマシン内部の細い配管に徐々に蓄積し、水の流れを妨げます。お湯の出が悪くなると抽出時間が変わり、コーヒーの味にも影響が出ます。さらに進行すると、ボイラーの熱効率が落ちて電力消費が増え、最終的には配管が完全に詰まって修理が必要になることも考えられます。
📋 石灰除去を怠った場合のリスク
| リスクの段階 | 症状・影響 |
|---|---|
| 初期 | お湯の出が悪くなる・コーヒーの抽出量が変わる |
| 中期 | 味が薄くなる・加熱に時間がかかる |
| 進行 | エラーが頻発する・お湯がほとんど出なくなる |
| 末期 | 配管が完全に詰まり修理が必要になる |
📋 石灰除去の目安頻度(水の硬度別)
| 水の種類 | 硬度の目安 | デスケール頻度の目安 |
|---|---|---|
| 軟水(日本の水道水・浄水) | 低め | 3〜6ヶ月に1回 |
| 中硬水 | 中程度 | 2〜3ヶ月に1回 |
| 硬水(ミネラルウォーター等) | 高め | 1〜2ヶ月に1回 |
日本の水道水は比較的軟水であるため、一般的な使用頻度であれば3〜4ヶ月に一度程度のデスケールが目安とされています。ただし使用頻度が高い(1日に何杯も使う)場合はより短いサイクルが推奨されます。
✅ デスケールを習慣化する3つのコツ
- ✅ マシンのデスケールランプが点灯したら速やかに実施
- ✅ 月ごとの「コーヒーの日」などに定期メンテナンスをまとめて行う
- ✅ 石灰除去後はグリースの状態も合わせて確認する
デロンギ マグニフィカS スタート時に確認しておきたいグリースの初期チェック

新しくデロンギのマグニフィカSを購入したばかりの方、または久しぶりに使い始める方にとっても、グリースの状態を最初に確認することは重要です。工場出荷時にはグリースが塗布されていますが、長期間在庫として保管されていた場合や輸送の影響で、グリースが偏ったり乾燥気味になっていたりすることがあります。
📋 マグニフィカSの初期チェックリスト
| チェック項目 | 確認方法 | 対処 |
|---|---|---|
| 抽出ユニットの動き | 手で伸縮部を動かす | 重ければグリスアップ |
| 異音の有無 | 試運転して音を確認 | 軋み音があればグリスアップ |
| ユニットの外観 | グリースがついているか目視確認 | 乾燥気味ならグリスアップ |
購入直後でも「音を立ててピストンするくらい渋い動きだったのでグリスアップした」という報告があります(Amazon レビュー)。購入後すぐにグリースの状態を確認し、必要に応じてグリスアップしておくことで、最初から快適に使い始めることができます。
デロンギのマグニフィカSには「カフェジャポーネ」モードも搭載されており、通常のエスプレッソとは異なる抽出方式でドリップコーヒーに近い味わいが楽しめます。このような多機能なマシンだからこそ、各機能を正常に動作させ続けるためのメンテナンスが重要になります。
✅ マグニフィカS スタート時の推奨アクション
- ✅ 電源を入れる前に抽出ユニットの状態を確認
- ✅ 伸縮部を動かして動きが軽いかチェック
- ✅ 重さや音があれば初回のグリスアップを実施
- ✅ 取扱説明書に記載のお手入れサイクルを把握しておく
- ✅ デロンギファミリー会員登録(3年保証)を完了させておく
グリースアップ失敗を防ぐNG行動と覚えておきたい注意点

グリースアップは正しく行えば非常に効果的ですが、間違った方法で行うとかえってマシンを傷めることがあります。よくある失敗パターンと、それを防ぐための注意点を整理しておきます。
📋 グリースアップのNG行動一覧
| NG行動 | なぜダメか |
|---|---|
| 電源が入ったままユニットを取り出す | ギアの位置がズレて破損の原因 |
| 食品用でないグリースを使う | コーヒーへの混入・ゴム部品の劣化 |
| スプレーオイル(CRC 5-56等)を使う | ゴムを溶かす・人体に有害 |
| グリースを塗りすぎる | 余分なグリースがコーヒーに混入 |
| 洗浄後に水気を残したまま戻す | コーヒー粉が泥状になって詰まる |
| 無理やり力任せにユニットを押し込む | パーツの破損・ギアの損傷 |
また、AZフードグリース(718)などの代替品を選ぶ際に「金属専用」と記載があるものについては、プラスチックパーツへの影響を懸念する声もあります(Amazon レビュー参照)。心配な方はゴム・プラスチックへの使用がOKと明記された製品か、デロンギ公式の純正品を選ぶと安心です。
📋 グリース選びのポイント比較
| 条件 | 確認すること |
|---|---|
| NSF H1規格認証 | 食品機械用として安全かどうか |
| ゴム・プラスチック対応 | Oリングなどに使用できるか |
| 適切な粘度 | 硬すぎず柔らかすぎず(白色系が目安) |
| 臭いの少なさ | コーヒーへの影響を最小化 |
✅ グリースアップを成功させる5か条
- 必ず電源をオフにしてから作業開始する
- 食品機械用・NSF H1規格のグリースのみを使う
- 量は「少量」が基本、塗りすぎない
- 塗ったあとは数回動かしてしっかり馴染ませる
- マシンに戻す際はカチッとはまることを確認する
グリースアップは修理不要なメンテナンスの中でも、最もコーヒーマシンの寿命に直結する作業の一つです。正しい方法と適切な製品を選ぶことで、大切なマシンを長く快適に使い続けることができます。
総括:デロンギ グリースのまとめ

最後に記事のポイントをまとめます。
- デロンギのグリースとは、抽出ユニットの伸縮部をスムーズに動かすために塗る食品機械用潤滑剤である
- デロンギ純正グリースはSER0354(PAO成分・NSF H1認証・5g・税込1,549円)であり、デロンギ全自動コーヒーマシン全機種に対応している
- グリースはワセリンや食品機械用グリース(AZフードグリース等)で代用できるが、スプレーオイルや一般機械油は絶対に使ってはいけない
- 「ギィー」「ギシギシ」という軋み音や動きが重い感覚が、グリース不足を示す主なサインである
- グリースを塗るポイントは「抽出ユニットの伸縮部(筒の内側)」と「Oリング(赤いゴムパッキン)周辺」の2か所である
- グリースの量は「少量(歯磨き粉程度)」が基本であり、塗りすぎはかえって問題の原因になる
- 抽出ユニットを洗う際は食器用洗剤・研磨剤・食洗機の使用が禁止であり、流水またはぬるま湯での振り洗いが正しい方法である
- 石灰除去(デスケール)はグリースアップとは別の作業であり、配管内のスケールを除去するために専用の除石灰剤を使用する
- 石灰除去を怠ると配管が詰まり、コーヒーの味が落ちるだけでなく修理が必要になるリスクがある
- マシン購入直後や久しぶりに使い始める前も、抽出ユニットの動きを確認してグリースの状態をチェックすることが推奨される
- グリースアップは電源をオフにしてから実施し、マシンに戻す際はカチッとはまることを確認する手順を守ることが重要である
- 正しいメンテナンス習慣(グリースアップ・水洗い・石灰除去)を組み合わせることで、デロンギのコーヒーマシンを長期間快適に使い続けることができる
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- https://dljp-cc.com/SHOP/SER0354.html
- https://www.delonghi.com/ja-jp/faqs/%E3%80%90%E5%85%A8%E8%87%AA%E5%8B%95%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%80%91%EF%BC%88EAM%E3%83%BBESAM%EF%BC%89%E3%80%8C%E3%82%AE%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%80%8D%E3%81%A8%E8%BB%8B%E3%82%80%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AA%E9%9F%B3%E3%81%8C%E3%81%99%E3%82%8B/a/250458
- https://www.delonghi.com/ja-jp/faqs/%E3%80%90%E5%85%A8%E8%87%AA%E5%8B%95%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%80%91%EF%BC%88ECAM%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA%EF%BC%89%E6%8A%BD%E5%87%BA%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E3%81%8A%E6%89%8B%E5%85%A5%E3%82%8C/a/250767
- https://note.com/pineb_ook/n/n28966941d135
- https://www.reddit.com/r/superautomatic/comments/1lxpik7/do_i_need_to_grease_the_delonghi_dinamica/?tl=ja
- https://www.amazon.co.jp/AZ-%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%BC%E3%83%83%E3%83%88-%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9-%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B8%E3%80%94%E9%A3%9F%E5%93%81%E6%A9%9F%E6%A2%B0%E7%94%A8%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%80%95-718/dp/B001QVX32E
- https://ameblo.jp/umeshika25/entry-12888146395.html
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